ラオスと不発弾 時事編

ラオスの不発弾問題に詳しい林さんの硬派なコラムです。


AFP

 

(写真:AFP)

 

1月24日、アメリカ国務長官のケリー氏がラオスを訪問しました。アメリカ国務長官としては、1955年以降、2012年のクリントン国務長官の訪問以来3人目です。今年、ラオスはASEANの議長国となっていて、ASEANの会議が年の後半に開かれる予定になっています。この会議には、オバマ大統領がアメリカ大統領として初めてラオスを訪問することにしており、その準備の意味合いも含めて、今回ケリー国務長官がラオスを訪問することになりました。なお、ケリー国務長官は、ベトナム戦争に従軍していたことから、ラオスの不発弾問題についてどのように発言するかも注目を浴びていました。

 

ケリー国務長官は、最終的に不発弾問題への支援の具体的な増額には言及しませんでした。しかし、オバマ大統領がラオスを訪問した際に、これまでの支援額を大幅に上回る額の支援を表明することは確実とみられています。CNNなどの報道によるとその額は年間1,950万ドル(約23.4億円)に上ると言われています。ここ数年、アメリカは、年間1,500万ドル前後の支援をしていますが、過去20年の平均は年間420万ドルだったと指摘されており、近年の急激な増額ぶりがみてとれます。また、ラオスの不発弾分野全体への各国の支援総額が年間約3,000万ドル程度であることをみても、その半分以上を拠出するアメリカの支援は際立っています。

 

なお、CNNは、アフガニスタンとイラクの地雷・不発弾問題に対してアメリカは年間1億4,500万ドル(174億円)出しており、ラオスに対する支援はそれらと比較して依然として少ないことを指摘しています。オバマ大統領の任期もあと1年となり、来年には新しい大統領が着任します。その際に、ラオスの不発弾問題への対応がどうなるのか注目されています。


林 明仁

2015年5月まで3年間ラオスにて不発弾を処理する政府機関であるUXO Laoのアドバイザーとして勤務し、UXO Laoとカンボジアの地雷対策機関(CMAC)との協力の推進などに携わる。